消費生活相談におけるトラブル事例から(44)

国民生活センター広報部 菱戸淳二

高齢者の自宅の売却トラブルに注意

〈事例〉

① 一人暮らしの自宅に突然、不動産業者が二人で訪ねて来た。介護サービス業者だと思ってドアを開けてしまった。住んでいるマンションを売らないかと言われたがそんなつもりはなかった。

 しかし、とにかく売れ売れと勧められ、朝10時から夜9時半まで居座られた。翌日も二人で訪ねてきて朝10時から夜7時頃まで居座られた。「マンションを売ったら入所できる施設は探してあげる」と言われ、自分も高齢だし、新型コロナウイルスの感染状況等で気が弱くなっていたところもあって、「売値を2~300万円上乗せしてくれるなら」と答えたところ、2300万円で売ることになってしまった。何か書面に署名押印したが、何の書類か覚えていない。「ちょっといやだ。待って」と言ったが取り合ってもらえなかった。業者から書面等を一切受け取っておらず、もらったのは会社案内のパンフレットのみだ。マンションの買い手が待っていると言われているが、契約をなかったことにしてほしい。(80歳代女性)

② 不動産業者から築40年のマンションを2500万円で売ってほしいとの電話があり、3000

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