家賃債務保証業者「フォーシーズ株式会社」に対する差止請求訴訟についての大阪高等裁判所2021年(令和3年)3月5日判決について

消費者支援機構関西(KC’s)理事 弁護士(大阪) 五條 操

一 はじめに

 家賃債務保証業者「フォーシーズ株式会社」に対する消費者契約法に基づく不当条項使用差止請求訴訟事件について、2021(令和3)年3月5日、大阪高等裁判所(西川知一郎裁判長)は、フォーシーズの控訴に基づき、KC’sの請求を一部認容した1審判決(大阪地裁2019(令和元)年6月21日 本誌122号265頁)を取り消して、これを棄却する等、KC’s全面敗訴の不当判決を言い渡しました。

二 本件で差止めの対象となった契約条項

 甲:賃貸人、乙:賃借人、丙:個人の連帯保証人、丁:フォーシーズ

第13条 保証受託者等の原契約解除権

1 丁は、乙に下記事由が生じたときは、無催告にて原契約を解除することができるものとし、甲・乙及び丙は、この場合に丁が原契約についての解除権を行使することに対し、異議はないことを確認する。

① 乙が支払いを怠った賃料等及び変動費の合計額が賃料3ヶ月分以上に達したとき。

② 乙が年間保証委託料の支払いを2ヶ月以上遅滞したとき。

③〜⑥〔略〕

2 丁による前項の解除は、乙に対する意思表示によってするものとし、甲に対しては、原・・・

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