日弁連民事裁判シンポジウム
─7年ぶりの運用改善提言─

弁護士(東京) 日下部真治

 日弁連は、2021年3月31日に、「民事裁判に関する運用改善提言〜現状の問題点を探り、あるべき民事裁判の運用を考える!〜」と題するシンポジウムを、オンラインで開催した。本シンポジウムには、弁護士のほか、裁判官、研究者、司法修習生、法科大学院生など、民事裁判に日常的に携わり、またはこれに強く関心を持つ多くの関係者が参加した。

 本シンポジウムは、日弁連の「民事裁判手続に関する委員会」(民裁委員会)が企画実施したもので、民裁委員会が策定した運用改善提言を題材に、民事裁判の運用上の問題点を多角的に検討することを目指すものであった。

 まず、第1部の基調報告では、民裁委員会の事務局長より、運用改善提言の作成経緯や提言の方向性等が簡潔に報告された。運用改善提言は、2014年1月に日弁連が開催した争点整理に関するシンポジウムで最初に採り上げられたものであったが、その後7年間の民事裁判実務を踏まえて、その内容がブラッシュアップされたものが本シンポジウムで提示された。その内容は、①訴状・答弁書の充実、②争点整理の充実、③争点確認の実質化、④証拠収集方法の活用、⑤集中証拠調べの充実、⑥・・・

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