2019年改正法・総則と改正の要旨

弁護士(大阪) 植田勝博

第1 動物愛護管理法・2019年法改正(2019年6月19日法改正)

 2020年6月1日から施行された。

1 動物愛護法改正の目玉は、第一種動物取扱業の動物が生活ができる環境の確保のための檻の大きさなどの数値規制である。動物が、モノ、商品である環境からどの程度の動物の生活ができる環境になったかは、今後の検討が必要である。

 それ以外の改正は大きく目立つものはない。

2 法律と行政の現場の乖離

 日本の動物愛護法と行政の関係は、動物愛護法は、人と動物との共生、共存する法律である。ところが、法執行機関の環境省になると、「譲渡適正」という価値観を持ちだしたり、野生動物に関する「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」においては、同じ所有者不明の犬猫について、狩猟対象として「ノイヌ」「ノネコ」の言葉を造語して入れている。さらに、行政の現場では「譲渡適正」がないとして、自由裁量で、収容当日に過半数の殺害と所有者公示、譲渡公示せずにほとんどの犬猫を数日内に殺す。法律と現場の差は違いすぎる。

 動物の命は、ゴミと同じで殺害し、飼主の権利は無視する。

 日本の動物行政は人中心で、人が動物を・・・

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