食の安全・監視市民委員会代表 弁護士(東京) 神山美智子
私は現在、食品にかかわる情報公開請求訴訟2件に原告代理人として参加している。
1件は、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構を被告にした、実験ノートの情報公開請求である。
これは、被告が1998年から開始した「ディフェンシン遺伝子を導入した組換えイネ」の開発とその検証に関する実験ノートの開示を求めたもので、今回が第3次訴訟である。
第1次は、開発実験を栽培実験と誤って記載し、第2次では実験担当者の特定を求められて敗訴している。被告は実験ノートの組織共用性を争っているが、ノートの作成と管理については2012年に理事長通知を出して明確にしている。また通知以前から組織的に共用していた実態がある。
6月16日の期日で原告本人尋問を実施したが、原告自身がさまざまな実験を担ってきた技術者であることから、実験ノートの取扱いの実態を詳しく述べた。被告の反対尋問は原告の過去の実験内容を聞くという補充尋問のようであった。たとえば、原告が過去に、A4用紙1枚をFAX送信するのに6分かかっていたものを1分にした研究がある、などという興味深い回答を引き出し・・・
この記事は会員に限定されています。ログインしてください。
会員になるには「会員に申し込む」をクリックしてください。