若年層の消費者被害への対応─成年年齢の引下げに向けて─と高齢者の消費者被害救済の担い手として

日本司法書士会連合会会長 小澤吉徳

1 はじめに

 日本司法書士会連合会においては、第二次サラ金パニックと呼ばれた時代から、社会問題となっていた多重債務問題について、当事者の会や弁護士会等と手を携えてその被害救済活動を行ってきた。そして、皆様と共に平成18年の画期的と言える貸金業法改正を勝ちとるに至った。また、同時に、多重債務問題のみならず、様々な消費者被害に対する対応や被害を未然に防ぐための法教育・消費者教育にも力を注いできた。

 しかしながら、まだまだ十分であるとは言えない状況であろう。

 成年年齢の引下げを間近に迎えようとしている今、超高齢社会が進む今、若年層及び高齢者等の消費者被害救済の実務の担い手として、また、それらを未然に防ぐための法教育・消費者教育の担い手として、これまで以上の存在感を示していく必要がある、と考えている。

2 若年層の消費者被害への対応〜成年年齢の引下げに向けて〜

 平成30年6月13日、民法の成年年齢を20歳から18歳に引き下げること等を内容とする民法の一部を改正する法律が成立した。令和4年4月1日から施行される。

 一方、当初より、消費者被害の拡大が懸念されており、その適切な・・・

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