消費者委員会(第6次)消費者法分野におけるルール形成の在り方等検討WG報告書
〜自主規制の実効的な整備・運用による公正な市場の実現を目指して〜の紹介

消費者委員会事務局参事官補佐 森貞涼介

1 はじめに

 消費者法分野におけるルール形成の在り方等検討ワーキング・グループ(以下「本WG」)は、第5次消費者委員会にて発足し、令和元年6月に報告書をまとめ、消費者法分野におけるルール形成において、自主規制、民事ルール、行政規制が被害の予防・救済という目的からベストミックスされることの重要性等を提言した。

 社会やビジネスモデルの変化に伴い新しい取引分野が生まれているが、これらの中には自主規制を有効に活用して対応すべき分野がある。令和2年11月、本WGは、自主規制の活用の実態を把握した上で、新しい取引分野にも参照できるような形で事業者(団体)の自主的取組みの在り方を提示することを目指して再開され、令和3年8月報告書(以下「本報告書」)を公表した。

 本報告書の特色は次の3点にある。①現状の事業者(団体)の自主規制について、ヒアリング等に基づき網羅的な分析・整理を行ったこと。②自主規制の整備が求められる新しい取引分野について、法の適用の有無、自主的取組みの現状等について整理し、今後の課題を明らかにしたこと。③今後、事業者(団体)の自主的取組みを活用する制度を・・・

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