コロナ禍での消費生活相談の傾向

独立行政法人国民生活センター理事 川口徳子

1 はじめに

 新型コロナウイルス感染拡大による危機的状況において、コロナ禍に関連すると思われる様々な消費生活相談が寄せられています。

 国民生活センターでは、「消費者問題・暮らしの問題に取り組む中核的な実施機関」として、緊急時の消費生活相談に対応するホットラインの開設や商品テストを実施し、あわせて便乗商法への注意喚起を行うなど機動的な対応をしました。その概要につきまして報告します。

2 新型コロナウイルス関連の消費生活相談

 全国の消費生活センター等では2020年度に約94万件の消費生活相談を受け付けましたが、そのうち新型コロナウイルス関連の消費生活相談は約8万件でした。ピークの2020年4月には月に約2万件でしたが、同年秋以降は月3000件程度となっています。

 2020年2〜5月には、マスク・体温計・消毒用品等の感染対策商品で、品不足や高価格での販売、送り付け商法、ネット通販に関する相談が多数寄せられました。マスクとアルコール消毒製品については、国民生活安定緊急措置法施行令により高額転売が禁止されましたが、その後供給体制も整い解除されました。また、旅行や宿・・・

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