コロナ禍での消費生活相談の傾向
─どのように対応すべきか─

前消費者庁新未来創造戦略本部総括室長 室伏陽貴

 消費者庁新未来創造戦略本部は、3月16日に「アジア地域におけるウィズコロナ、ポストコロナでの消費生活相談と消費者教育について」をテーマに、昨年7月の開設後初めての国際シンポジウムを開催した。そのなかで行われた、コロナ禍での消費生活相談についてのパネルディスカッションについて紹介する。

 ディスカッションでは、まず、消費生活相談体制やコロナ禍での消費生活相談の傾向について、各国の行政官から自国の状況について説明を行った。各国の概要は以下のとおり。

◯日本

〈相談体制〉

 2015年以降、広域連携も含め、全国の市町村に消費生活センターが設置されている。消費生活相談は、主に電話、もしくは対面で行われ、188消費者ホットラインに電話すると、最寄りの消費生活センターにつながる。消費生活センターは相談者に対してアドバイスや、必要な場合は、相談者、事業者とのあっせんも行う。相談情報はPIO-NETに入力され、消費者庁はその情報を基に、消費者に対する注意喚起や情報提供等を行っている。

 また、日本には、内閣総理大臣が認定した消費者団体に特別な権限を付与する、適格消費者団・・・

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