コロナ禍におけるベトナムの消費者教育

ベトナム国家大学ハノイ校法学部講師 フエン=ガー・ツオン
(翻訳:京都大学大学院法学研究科准教授 カライスコス アントニオス)

 ベトナムは、医療能力が限られた発展途上国であるにもかかわらず、コロナウィルスの蔓延を比較的良好に管理し、これまで社会および経済の安定を維持している国の一つとして評価されてきた。ベトナムにおけるこのようなパンデミックの抑制への成功を支援した重要な政策の一つが消費者教育である。コロナ禍におけるベトナムの消費者の教育は、主に、消費者の信頼と正しい認識を構築するための正確で更新された情報を提供することに焦点を当て、自分自身と他人を守ることができるようにすることを目的としている。

コロナ禍における政府の行動

 2020年1月23日にベトナムで初の症例が確認されて以来、当局は、コロナウィルスの危険性を認識し、消費者が情報にアクセスできるようにするために通信チャネルを効果的に使用している。新聞、オンライン新聞、テレビ番組、ラジオ、路上のポータブル・スピーカー、電話メッセージ、電話アプリ「zalo」、公式のニュースを拡散するソーシャル・ネットワーク、メッセージ、さらにはミュージック・ビ・・・

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