コロナ時代の消費者教育─マレーシアの展望─

マラヤ大学法学部専任講師 ヅェ=チン・オング
(翻訳:京都大学大学院法学研究科准教授 カライスコス アントニオス)

マレーシアの消費者運動を通じた消費者教育

 マレーシアの消費者運動は、州を拠点とする消費者組織を形成した市民社会運動から始まった。1965年に、セランゴール消費者協会(SCA)が設立され、マレーシアにおける消費者保護と福祉について地方コミュニティに働きかけた。その後、「消費者ニュース」(Berita Pengguna)が発行され、消費者活動家は、学校、ロータリー・クラブや首都圏において典型的である諸団体を通じて消費者教育を提供していた。そのさらに後、様々な州を拠点とする消費者協会が発芽した。その中には、1969年に設立されたペナン消費者協会(CAP)がある。サラワク消費者協会(CAS)、ネグリ・スンビラン消費者協会(CANS)、ケダ消費者協会(CAKE)は、いずれも1971年に設立された。そして、ペラ消費者協会(PCA)とマラッカ消費者協会(CAM)は、1972年に設立された。このように、マレーシアの複数の州で様々な消費者協会が設立されたことを受けて、1973年にマレーシア消費者協・・・

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