DHC問題におけるヘイトスピーチ、マイクロアグレッションそしてコンプライアンス

龍谷大学法学部教授 金 尚均

はじめに 発言の内容

 DHCの会長はかねてより自社ホームページにおいて在日外国人に対するコメントをし、その際、誹謗中傷してきた。会長のコメントとして「問題なのは日本人として帰化しているのに日本の悪口ばっかり言っていたり、徒党を組んで在日集団を作ろうとしている輩です。いわゆる、似非日本人、なんちゃって日本人です。(中略)似非日本人はいりません。母国に帰っていただきましょう」(2016年2月12日、DHC公式サイト「会長メッセージ」より)「サントリーのCMに起用されているタレントはどういうわけかほぼ全員がコリアン系の日本人です。そのためネットではチョントリーと揶揄されているようです」(2020年11月、DHC公式サイト「ヤケクソくじについて」より)「NHKは幹部・アナウンサー・社員のほとんどがコリアン系」「NHKは日本の敵」(2020年11月、同サイト)。とりわけ会長のコメントは、サントリーやNHKを攻撃する手段として在日韓国・朝鮮人を当てはめている。それはすでに在日韓国・朝鮮人が蔑みの対象となっていることを表している。その意味で在日韓国・朝鮮人をターゲットにして・・・

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