弁護士(大阪) 植田勝博
消費者法ニュースへ寄せられた論考、新聞、消費者団体の情報により、執筆する。
1 2025年3月、米が存在しない。2024年5㎏1000円台が4000円台、米不足と高騰で、米が食べられないのが現在の日本である。
・〔朝日2025.6.2〕小泉農相、古米、古古米の販売。
・〔朝日2025.6.6〕小泉農相、備蓄米がなければ緊急の輸入もある。
・〔朝日2025.6.11〕小泉農相が備蓄米を追加放出する。備蓄米20万トン追加放出
2 「米」の国家管理の歴史
(1)食料管理制度
米は日本の主食の米として日本人の生活の土台であり、白米、寿司、赤飯、餅、米菓子など日本の食文化の基本であった。戦前、戦中は、日本人は海外へ積極的攻撃、戦争をし、他方、日本人は、戦争の攻撃から逃げ回り、餓死の危機の中で皆飢えていた。食料は配給制で国家管理に置かれた。第2次大戦後も、米の増産、食料管理制度は続き、米はすべて国が買い上げ、米の購入は米屋に米穀通帳を持っていって買い、消費を管理する。それは昭和40年代まで続いた。
(2)「逆ざや」と「減反」
日本は税金で主食の米を確保してきた。国が農家から全量を買い上げ、こ・・・
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