私が体験した統一教会
─入信、活動、そして脱会─

弁護士(岐阜) 神谷慎一

1 入信の経緯

(1)正体を隠した勧誘

 大学3年生だった1992年2月頃にアンケートで勧誘され、ビデオセンターに通うことになりました。統一教会であることは隠されていて、分かりませんでした。

(2)ビデオセンター

 ビデオセンターは、統一教会の教義というべき統一原理の解説などのビデオを見て、担当者と話をするところでした。このとき、「口止め」を約束させられたため、その後「おかしい?」と疑問が湧いても他の人に相談することができませんでした。それが、統一教会の信者になってしまった重要なポイントの一つでした。

(3)ツーデイズセミナー

 ビデオセンターの後は、1泊2日の合宿であるツーデイズセミナーに参加しました。ここで印象的だったのは、聖書の失楽園の物語を題材に、神様が決めた相手と結婚し、神様が許した後に性行為に及ぶべきだったのに、自分の判断で性行為に及んだために人類は堕落して原罪を負った、性行為が原因だから原罪は遺伝する、という話でした(統一原理では「堕落論」と呼ばれます)。この堕落論を理由に、統一教会では男女を厳然と分け隔て、一切の肉体的接触を排除し(私は母親の肩もみも禁じられました・・・

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