日本福祉大学非常勤講師 近藤充代
はじめに

法ニュース共同代表の清水誠先生に東京都立大学大学院時代以来ご指導をいただいていた御縁もあり、私は1990年代に短期間でしたが、法ニュースの編集会議に参加させていただきました。いまどんな消費者問題を取り上げるべきか、様々な情報を持ちより、議論を重ねて雑誌を作り上げていく作業は研究をするうえでも示唆に富み、たいへん勉強になりました。その後はもっぱら法ニュースの愛読者として毎号拝読させていただいています。
清水誠先生の問題関心、研究領域は幅広くかつ深く、単に民法、消費者法などの法解釈の枠にとどまりません1。目の前の深刻な社会問題や消費者被害について、「対症療法的弥縫的」な対策ではなく、そのような問題や被害が生じてくる根本的な原因を究明し、そこにメスを入れるのでなければ真の解決にならないという姿勢が貫かれていました。
2011年1月30日に亡くなられた先生が、今日の世界情勢、国内情勢、そして消費者被害の有様を目にされたとしたら、あまりにも対症療法的な対策に終始している現状を憂い、鋭く批判されたことと思います。
今日の情勢と法ニュース
今日の消費者被害を・・・
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