弁護士(兵庫) 古殿宣敬
1 遺失物法は、遺失物法に基づき遺失物として提出を受けた動物を、殺処分を行う者に引き渡すことを禁止している。
(1)遺失物法10条1項3号は、遺失物として警察署長に届けられた物件について、売却することができないと認められるときは、廃棄その他の処分をすることができると定めている。
(2)しかし、遺失物法施行令4条1項ただし書きは、「動物である物件の処分は、これを引き渡すことが適当と認められる者に引き渡し、又は法令の範囲内で同種の野生動物の生息地においてこれを放つことにより行うものとする」と規定しており、動物については「廃棄」することを認めていない。
(3)すなわち、遺失物法、同法施行令は、動物の「廃棄」=「殺処分」を認めていないものである。
2 警察庁は、「動物を引き渡すことが適当と認められる者」とは、「これを飼育し、又は保管することを希望する者であって、引き取り後もこれを適切に取り扱うことができると認められるもの」と定めている。
(1)警察庁は、平成19年8月10日に、「遺失物法等の解釈運用基準について(通達)」を定めた。
この通達のなかで、警察庁は、「引き渡すことが適当と・・・
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