副業詐欺(2)

弁護士(島根) 田上尚志

 前回、ライン株式会社、株式会社A、合同会社STによる各副業詐欺の受任と、その時点における事件処理の進捗状況を報告させていただいた。今回はその続編として、ライン株式会社、合同会社STによる副業詐欺事件の処理及び進捗を紹介させていただくこととしたい。なお、新たに株式会社による副業詐欺事件も受任したが、その処理及び進捗について紙面の都合上次回報告にさせていただくことにする。

 まず、ライン株式会社についてであるが、法人としてのライン株式会社だけでなく、その代表者たる吉村宙に対しても共同被告として直接損害賠償請求訴訟を提起しているのは当然である。ライン株式会社及び吉村宙に対しては請求全額認容の判決が言い渡され、既に確定している。

 しかし、判決確定時点においてライン株式会社は既に解散しており、吉村宙もライン株式会社の本店所在地に住民票上の住所を置いたまま行方不明になっていた。

 ところが令和7年4月に改めて吉村宙の住所を調べたところ、令和6年6月に新住所に住民票を移していたことが判明した。そこで、ライン株式会社名義の口座が開設されていた住信SBIネット銀行を第三債務者として債権差押・・・

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