消費者機構日本専務理事 板谷伸彦
最近の主な成果と課題
消費者機構日本は、2024年9月17日に設立20周年を迎えました。COJ20周年記念シンポジウムでは、この間の差止請求や被害回復の成果とともに、事業者との関係性の変化や消費者問題への活動拠点としての機能なども含め、消費者団体訴訟制度のもたらした意義を確認することができました。また、将来的なビジョンとして、消費者法分野に限らず環境問題、ビジネスと人権、個人情報保護など他分野についても、消費者分野と関連付けることで団体訴訟を活用していく可能性についても語られました。
被害回復制度は、2022年の法改正等により徐々に使い勝手の改善が進められていますが、少額事案での費用回収の問題、対象消費者が極めて多数に上る事案での事務負担の問題、また、相手方事業者からの賠償金の回収可能性の問題など、依然として円滑な制度運用に多くの課題を残しています。こうしたなかでも2024年度は、事業者の自主的対応を促す形で超少額・超多数の被害回復を実現したり、提訴前に相手方資産を仮差押えしたりなど、対応策を工夫しながら進めることができました。
差止請求では、立証のハードルか・・・
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