適格消費者団体NPO法人京都消費者契約ネットワーク事務局 弁護士(京都) 錦見壽紘
1 はじめに
当団体は、鍵の開錠・交換等を行う株式会社日本キーサービス(以下、「本件事業者」といいます)に対し、特定商取引法(以下、「特商法」といいます)及び景品表示法に基づく差止請求を行いました。本稿では、本件事業者の問題点と対応状況についてご報告いたします。
2 問題点
(1)本件事業者は、ウェブサイト上の広告では、「出張費0円、お見積り0円」「鍵を開ける700円〜」などと表示しているのに対し、実際には、10万円ほどと広告の表示とは乖離した金額を請求しています。
「特定商取引に関する法律等の施行について(通達)」及び消費者庁ウェブサイトにおける「訪問販売等の適用除外に関するQ&A」では、広告表示の価格と消費者が訪問を依頼した際に伝えられた価格に乖離がある場合、特商法の適用除外とならないとしています。そのため、特商法の適用除外に当たらないことが明白であるにもかかわらず、本件事業者は特商法の適用がない旨を消費者に伝えていて、これは申込みの撤回もしくは解除を妨げる目的で不実のことを告げる行為といえ、特商法58条の1・・・
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