弁護士(兵庫) 古殿宣敬
1 原発の運転期間の規制と再稼働を始めた老朽原発
東京電力福島第一原子力発電所事故は、国民に大きな被害をもたらし、原発がいかに危険な発電設備であるかを国民に知らしめた。福島原発事故後、原発の運転期間について、法的規制が加えられた。
すなわち、福島原発事故以前は、原子力発電所の運転期間を定める法的な規制は存在しなかったが、福島原発事故を受け、原子炉を規制する「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(炉規法)」が改正され、原子力発電所の運転期間は運転開始から原則40年とし、その終了期間までに国から認可を受けた場合、1回に限り最大20年の延長が認められることになった。「40年ルール」と呼ばれる運転期間の規制である。
この「40年ルール」の制定により、70年代前半に運転を開始した原発20基は廃止されることになったが、原子力規制委員会は、「40年ルール」の例外規定を適用して運転開始後40年を超える原子炉について20年間の運転期間の延長を認め、8基の原発が運転開始後40年を超える運転を認められている。
また、2023年5月に電気事業法が改正され、運転開始後60年を超える・・・
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