いのちのとりで裁判は「連戦連勝でも課題は山積」
─物価偽装をただす─(第24回)

フリーライター 白井康彦

 2025年6月6日現在、私たちが取り組んできた「いのちのとりで裁判」は大詰め。大阪、愛知の上告審で第1号の最高裁判決が6月27日に出ます。行政側が負けにくい行政訴訟で、行政側が「連戦連敗」に近い「負けが込む」状態。かなりの異常事態です。最高裁判決も行政側敗訴の可能性が高いと思います。

 2013年生活扶助基準改定行政処分の取消しを求めたのが「いのちのとりで裁判」。29地裁で31の原告団・個人が闘ってきました。地裁判決は原告側からみると、通算では19勝11敗ですが、後半21件は18勝3敗。直近は7連勝中です。高裁判決は通算7勝5敗。2024年までは1勝3敗でしたが、2025年は6勝2敗と圧倒的な好成績です。

 原告側からみると歴史的な快進撃です。ただ、私の感覚では「勝つのが当たり前」です。2013年改定案が「物価偽装」「2分の1処理」という重大なダブル統計不正の産物だったからです。実際に原告勝訴判決のほとんどは、統計の論点で勝っています。それでも、私の感覚では、この裁判に関する我々側の最大の反省点は「統計不正を追及する取組みが全体的にまるで弱かった」ことだと思います。

 私は・・・

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