弁護士(大阪) 白出博之1
はじめに
消費者権益保護法実施条例(以下「本条例」と略)が2024年3月に成立・公布され、同年7月1日から施行されている(全7章・53カ条)。名称は「実施条例」であるが、日本の「条例」とは異なる、国務院が制定する行政法規の一種であり、2013年改正消費者権益保護法の実施規則ないしガイドラインの実質を有するものである。
近年の中国の経済社会の高速な発展、特にプラットフォーム経済等の新たな業態や新モデル等の発展に伴い、消費者権益保護業務において新しい状況・問題が現われているため、消費者権益保護法の実施条例を制定することが必要となり、中国の消費者権益保護法律制度の体系をさらに改善し、消費者の合法的権益保護を強化する必要のあることが、本条例制定の背景にある。
第1 本条例の主な内容2
第1章 総 則(1〜6条)
第2章 消費者の権利と事業者の義務(7〜24条)
第3章 国による消費者の合法的権益の保護(25〜33条)
第4章 消費者組織(34〜41条)
第5章 紛争の解決(42〜47条)
第6章 法的責任(48〜52条)
第7章 附 則(53条)
1 消費者の権利と事業者の義務の関連規定の
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