種類は増え続けても、消費者が受け入れないゲノム編集食品

市民バイオテクノロジー情報室代表 天笠啓祐

現在、流通が可能なゲノム編集食品は?

 ゲノム編集食品の現状はどうなっているでしょうか。よく見てみると、一方で作物や魚などで種類が増えているものの、他方で消費者は受け入れておらず、広がりを見せていないことが分かります。世界的に見ても、開発や市場化が進んでいるのは日本だけで、販売されている国はほとんどありません。

 ではいったい、どのようなゲノム編集食品があるかというと、サナテックシード社が生産者に依頼して作らせ、販売している2種類の高GABAトマト(ミニと中玉)と、リージョナルフィッシュ社が開発・養殖・販売している肉厚のマダイ、太ったトラフグとヒラメの3種類の魚です。日本で届け出されているゲノム編集作物には、他にも2種類あります。ひとつは米国コルテバ・アグリサイエンス社が開発し、米国内で栽培し、世界に売り込むことが予定されている「もちトウモロコシ」です。アミロースを作らないようにしておもちのように粘り気を持たしたトウモロコシです。もうひとつが2024年10月16日に、消費者庁が届け出を受理したばかりの、米国J.R.シンプロット社が届け出していた、収量増・・・

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