生活扶助基準改定の厚労省行政は混迷状態?
─物価偽装をただす─(第22回)

フリーライター 白井康彦

 2024年11月12日。生活保護裁判に取り組んでいる全国各地の関係者が最高裁判所や国会、厚生労働省を訪ねて「まともな生活扶助基準改定」を取り戻そうと活動しました。2013年生活扶助基準改定行政処分の取消しを求めた「いのちのとりで裁判」。2024年11月15日時点での我々側から見た勝敗は、地裁が18勝11敗で高裁が1勝3敗です。2013年改定が酷い内容だったことは、この「行政敗訴ラッシュ」からも明らかでしょう。各地の関係者が憂いているのは、政府予算案編成作業の中で厚労省が検討している2025年改定も酷い内容になる可能性があることです。生活扶助基準改定に関する厚労省行政はかなりの混迷状態。今回はそのことに焦点を当ててみます。

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 いのちのとりで裁判は、10月28日に岡山地裁でも原告が勝訴しました。地裁に限れば、これで6連勝であり、直近20件の判決は17勝3敗です。11月12日の我々の最高裁要請活動でも関係者のスピーチは熱気にあふれていました。最高裁の第1号判決は来年前半に出る可能性があります。「これだけ我々が勝っているのだから、最高裁もしっかりジャッジ・・・

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