(公社)全国消費生活相談員協会 雪 美保子
1 消費者紛争の現状と特徴
情報商材とはインターネットの通信販売等で、副業、投資等で高額収入を得るためのノウハウ等と称して販売されている情報のことをいう。情報商材をきっかけに、更なる高額契約を誘導され、契約時、資金不足を根拠に勧誘を拒否する消費者に、クレジットカードやサラ金から借金を強要するクレジット・サラ金強要商法(以下、クレ・サラ強要商法)は、2016年に特定商取引法が改正され禁止行為等の規制が強化された。
しかし、改正後も行政の相談窓口に寄せられる相談件数は年々増加の一途を辿っている。その販売購入形態は、電話勧誘販売37%、通信販売23%、訪問販売15%、マルチ商法14%と続き、重複事例も多くおよそ9割は特定商取引法で規制される。また、契約当事者の年代は、20歳代が最も多く全世代の7割に及んでいる(国民生活センターHPによるPIO-NETデータベースより筆者検索)。直近では、遠隔操作アプリによる借入れへの誘導も見受けられ、その手口もますます巧妙化しており極めて悪質である1。
2 消費者庁による公表事例
消費者庁は、消費者安全法(第38条第1項)に・・・
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