(公社)全国消費生活相談員協会 増田悦子
消費者庁及び国民生活センターでは、「消費生活相談デジタル化」を検討している。消費生活相談のデジタル化は必須である。一方で、どのようなデジタル化になるのか、それによっては、現状の消費生活相談の質や役割が維持されないのではないかという不安がある。消費生活相談がデジタル化になじまないことも多いと思われ、ここでは、消費生活相談現場から見える消費生活相談のデジタル化の課題について述べることとする。
1 消費生活相談のデジタル化における課題
(1)FAQ・AIチャットボットについて
① 情報提供と情報収集の在り方
FAQやAIチャットボットの利用において、相談者の質問の仕方が適切ではない場合があり、真に解決すべきことについて情報提供が可能となるか、新しい手口等への対応がシステムに迅速に反映されるか、クーリング・オフ通知を発信しても返金されない場合もあり、情報提供後の結果確認ができるか、相談の背景にある問題の把握が困難ではないか、事業者名、相談者の所在地等の情報が把握できるかなどの懸念がある。
② 必要な場合に、消費生活相談員に必ず繋がる仕組み
消費生活相談に繋がる方法・・・
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