弁護士 拝師徳彦
本稿では、消費者庁取引対策課が立ち上げた「デジタル社会における消費取引研究会」(以下、「本研究会」)の概要と問題点について、特に第1回の事務局説明を中心に整理した。
なお本研究会では、委員へ配布された資料が一部非公開であったり、事業者へのヒアリング等の議論がすべて非公開とされるなど、議論の全体像を把握するのに必要な情報が一部秘匿されている。このため、本稿での筆者の指摘が的外れな批判になっている可能性があることについてはあらかじめご了承いただきたい。
1 開催趣旨・開催経過等
消費者庁の資料によれば、本研究会の開催趣旨は、「デジタル社会における購入者等の利益の保護並びに適正かつ円滑な商品等の流通及び役務の提供を達成すべく、購入者等が不当な損害を受けることのないよう、また、取引が公正なものとなるよう講ずべき施策の領域と手段について研究する。」「特に、デジタル技術特有の加速的な可変性を踏まえ、悪質事案への厳正かつ迅速な対処の在り方として、これまでの規制による効果を検証するとともに、デジタル消費取引における効果的な対処策を導く。」などとされている。
本研究会は第1回が2024年6月27・・・
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