ダイキン空調機失火訴訟のウラ話
(PL訴訟の難しさと今後)

うるさら空調機失火事件担当 弁護士(東京) 山口 広

 2010年12月に竣工して1年10月しか経っていない牧師館2階から出火。ダイキンの室外機が2階リビングのベランダにあって、そこからの出火しか考えられないので被災した牧師家族は消防署やダイキンに申入れしたが、原因不明として糠に釘。縁あって山口に相談。幸いPL訴訟第一人者の中村雅人弁護士が共同受任を了解していただき、他の出火事件の鑑定的調査を担当してこられた技術者の白井一氏を紹介してくれた。

 2014年9月弁護士会に仲裁申立てをしてみたが、ダイキンは拒否。やむなく東京地裁に提訴。記者会見したが全く報道されず、PL訴訟のメディアの扱いの冷たさ、過度に慎重であることを実感。担当裁判官の関心は、秋の深夜、空調機が作動していない時間帯に室外機からどのような機序で出火したのかという点。素人の山口外はどうして電気で冷たい空気が出るのか、電流・電圧・冷媒や空調のイロハを現物を見たりしながら白井氏から教えを受けた。

 訴訟の課程で重要事実が2点暴露された。

 第1に、ダイキンは、室外機が作動していない時も作動に備えて低電流が機器のかなりの部分に流れている事実を弁論・・・

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