金融消費者問題研究所代表 楠本くに代
1 はじめに─リテール消費者への勧誘・販売を禁止
暗号資産は2008年にビットコインとして登場して以来、激しく変化している。英国は、2018年3月、HMT(財務省)、FCA(金融行為監督庁)、BOE(中央銀行)からなるタスク・フォースを立ちあげ、市場と消費者に対する被害を阻止すべく、規制のあり方を検討した。その結果が、2018年10月、CATFリポート(Cryptoassets Taskforce final report─最終リポートとも言われている)としてまとめられた。このCATFリポートで、英国の暗号資産規制にかかわるポリシーと規制のアプローチが示され、当面取り組むべき課題が設定された。設定された課題は大きく三点よりなる。第一は、暗号資産を原資産とするデリバティブを一般消費者に販売することを禁止することである。第二は、暗号資産関連の製品・サービスの現法への当てはめ方に関わるガイダンスを出すことである1。第三は、英国金融サービス・市場法に暗号資産を取り込むために規制の枠組みをどう変えたらよいか、またエクスチェンジ・トークン3をどう規制すべきかを検討するこ・・・
この記事は会員に限定されています。ログインしてください。
会員になるには「会員に申し込む」をクリックしてください。