日本弁護士連合会主催シンポジウム「スコアリングを巡る法的問題」レポート及びスコアリングを巡る立法動向の概観

理化学研究所革新知能統合研究センター客員主管研究員 国立情報学研究所客員教授
大阪大学社会技術共創研究センター招へい教授 弁護士(東京)
板倉陽一郎

1 シンポジウム「スコアリングを巡る法的問題」

 さる2020年2月7日、日本弁護士連合会が主催し、シンポジウム「スコアリングを巡る法的問題」が開催された。本稿では、同シンポジウムの内容をレポートするとともに、スコアリングを巡る立法動向を概観する1

 第1部・基調報告では、筆者から「事業者におけるスコアリングの現状」として、J.Score、NTTドコモ、LINE Credit、ヤフーの各スコアリングサービスを紹介した。ヤフー以外の三者によるスコアリングサービスはAIレンディング(AIによるスコアリングを加味した貸付け)を含む点に特徴があるが、通常の与信審査で要求される安定収入等の要件を外しているものではなく、補助的にAIによるスコアリングを参照している感がある。これに対し、ヤフーのスコアリングサービス(Yahoo!スコア)は、パートナー企業に提供され、複数の用途に用いられることを前提としている特徴がある。続けて、筆者から「スコアリングの法的問題」と題し・・・

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