DHCスラップ「反撃」訴訟控訴審判決紹介

弁護士(東京) 澤藤統一郎

1 事案の概要と一審判決

 DHC・吉田嘉明から私(澤藤)に対するスラップ訴訟提起の経過と、請求棄却が確定した後の「反撃」訴訟の一審判決(2019年10月4日東京地裁民事1部(前澤達朗裁判長))については、当誌123号に報告済みである。

 主たる争点は、スラップ提訴の違法性(ないしは過失)の有無であるところ、一審判決はこう述べている。

 「DHC・吉田嘉明が澤藤に対して損害賠償請求の根拠としたブログは合計5本あるが、そのいずれについての提訴も、客観的に請求の根拠を欠くだけでなく、DHC・吉田嘉明はそのことを知っていたか、あるいは通常人であれば容易にそのことを知り得たといえる。にもかかわらず、DHC・吉田嘉明は、敢えて訴えを提起したもので、これは裁判制度の趣旨目的に照らして著しく相当性を欠く場合に当たり、提訴自体が違法行為になる」

 つまり、最高裁判例の判断枠組みにしたがって、当該提訴が「裁判制度の趣旨目的に照らして著しく相当性を欠く場合」にあたるか否かを大枠のメルクマールとしつつ、スラップ違法のより具体的な要件を、

(1)客観的要件 当該提訴が請求の根拠を欠くこと

(2)主観的要・・・

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