流通科学大学 小畑徳彦
1 はじめに
近年、我が国でもネットによる商品やサービスの購入が広く行われるようになっている。消費者庁の資料によると、その際、消費者はネットにおける消費者レビューを参考に商品やサービスを選択することが多い1。また、オンライン・ショッピングモール等における消費者レビューは、公正かつ適正な運用を確保しユーザーの信頼を得るため、運営事業者の規約等により一定の制限がなされているが2、買い物系プラットフォームのレビュー管理における対策が十分だと思う消費者は少ない3。
ここでは、米国における消費者レビューの公正を害する行為の規制状況を概観し、我が国において同様の事件に対し景品表示法による規制が可能かどうかを検討する。
2 不正な消費者レビューに対する規制
(1)出所・性格を誤認させる広告の規制
連邦取引委員会法4(FTC法)5条(a)5は、欺瞞的な行為又は慣行を禁止している。連邦取引委員会(FTC)は、以前から、消費者が広告だと認識できない広告や販売促進メッセージは、消費者に独立のもの、中立的なものまたは広告者自身が発信したものではないものであると誤認させる場合には欺瞞的であるとの考え・・・
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