10年以上変わらない食品の不当広告や表示不備
─ホットライン活動でわかったこと─

食の安全・市民ホットライン事務局長 西原崇文

序論

 2010年10月、正式にスタートをした「食の安全・市民ホットライン1」は、2020年の今年で11年目の活動を迎えることができた。一般消費者からの不具合通報を受け付けるホットライン活動を開始した2010年から2020年まで、一貫して、当ホットラインに対して、消費者が誤認するような不当な広告や食品表示の不備を訴える通報が相次いでいる。

 そのため、当ホットラインでは、過去、消費者から情報が寄せられた食品の不当広告と食品表示不備の具体的な事例を、不具合情報2として一般公開してきた。そこで、本稿では、当ホットラインに通報された、食品やいわゆる健康食品の「不当・不備」表示・広告を類型化しつつ、さらなる消費者保護を推進するための当ホットラインの活動意義を示していきたい。

「不当・不備」表示・広告パターンとは

 当ホットラインに実際に寄せられた「不当・不備」表示・広告においては、具体的に以下のような類型に分類される。

 第一に、「スーパーで買った食品Hの袋に書いてある食品表示が、中身(食品H)が入っているとまったく見えない」という3、「(表示の)見落とし型」と分類で・・・

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