欠陥住宅被害救済の大きな流れ
─澤田和也先生の遺したもの─

弁護士(大阪) 岩城 穣

1 はじめに

 澤田和也先生が2019年2月4日にお亡くなりになったとの訃報が、大阪弁護士会からFAXで届きました。享年87歳だったとのことです。

 私は、澤田先生が主宰しておられた「欠陥住宅を正す会」の会員ではなく、澤田先生と個人的に親交があったわけでもありませんので、私がこのような追悼文を書くのが適任かどうか、いささか憚られるところですが、欠陥住宅全国ネット及び関西ネットの創成期から欠陥住宅問題に関わってきた者として、澤田先生のご経歴とご功績をご紹介して追悼文に代えたいと思います。

2 澤田和也先生のご経歴

 澤田先生は1931年大阪市で出生され、大阪市大の文学部・法学部を卒業後、1960年司法試験に合格、司法修習生(15期)を経て1963年弁護士となり、澤田和也法律事務所を開設されました。

 澤田先生は、自ら建築を依頼した住宅が欠陥住宅だったことから、同じような欠陥住宅被害者を組織して1978年、「住宅のクレームに悩む消費者の会」を立ち上げられ、これが母体となって翌1979年「欠陥住宅を正す会」を発足させ、自ら代表に就任し、その後40年にわたり、澤田先生は欠陥住宅問題をライ・・・

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