一時払い外貨建保険販売の問題点

特定非営利活動法人消費者情報ネット 生損保研究会ぐるーぷ31代表 松尾保美

 13年前に起きた保険金等の不払い問題の沈静化後、国民生活センターのPIO-NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)に寄せられる保険関連のトラブルは減少傾向にあった。しかし2017年12月に国民生活センターは近年新たに銀行窓販において外貨建て保険に関するトラブル相談が増加してきたため、注意喚起情報として報道発表した。

希望の「元本保証」は無視、高金利を強調

 その前年、筆者宅に「定期預金の満期金について案内したい商品がある」と取引銀行から夫(当時77歳)に電話があり、銀行に行く夫に同行した。銀行の担当者が勧めたのは一時払い外貨建て個人年金保険だった。夫は元本保証のものが良いと言ったが、「元本保証のものは低金利で、魅力がない。今は、日本円では考えられない高金利の米ドルや豪ドルで運用するほうが良い」と担当者は言い、豪ドルの積立利率の高さを何度も強調した。

為替リスクを打ち消す説明

 為替リスクについても為替レート変動表を見せて「為替リスクはある。だが、こんなに円高の時もあったが、今はちゃんと戻っています」と言い、為替などのリ・・・

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