改正民法と消費者関連法の実務
─消費者に関する民事ルールの到達点と活用方法

  • 監修者:鹿野菜穂子
  • 編 者:日本弁護士連合会消費者問題対策委員会
  • 発 行:民事法研究会
  • 価 格:4,800円(税別)

 大変野心的な本である。

 周知のとおり2020年4月1日に、契約関係の改正を行った改正民法(改正債権法)が施行された。また、2022年には、民法の改正により成年年齢が18歳となる。

 これらの民法の改正は、21世紀を迎えたわが国の社会・経済状況の変化を反映し、判例理論を明文化することで、分かりやすい民法とすることを意図されていた。この社会・経済状況の変化とは、消費者契約に代表される契約当事者の情報量や交渉力の格差の存在である。この是正をどのようにして図るかが、改正の重要なテーマであった。一時は、消費者契約法を民法典に取り入れることも検討されたが、最終的には見送られている。しかし、この審議過程での検討事項は、契約当事者の格差を是正するというものである以上、仮に条文化されなくても、今後の解釈論として判例法理として結実することが期待される。

 更に、改正民法では、個人保証人の保護の諸制度や、現代社会で幅広く利用されている約款の一類型を定型約款として新しく規律するなどの改正がなされている。

 本書は、・・・

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