つけ込み型勧誘の規制(「消費者契約法の改正等に関する検討会」)の議論状況

弁護士(京都) 平尾嘉晃

第1 つけ込み型勧誘に関する改正のこれまでの経緯

 2016年改正では過量契約の規定(法4条4項)が、2018年改正では不安をあおる告知(法4条3項3、5、6号)、好意の感情の不当な利用(法4条3項4号)が、各々新設されました。

 しかし、上記のつけ込み型勧誘に関する規定は、適用範囲が極めて限定的であることから、2018年改正時の国会付帯決議では、なお「知識・経験・判断力の不足など消費者が合理的な判断をすることができない事情を不当に利用して、事業者が消費者を勧誘し契約を締結させた場合における消費者の取消権」に関する法の整備が要請されました。

 これを受けて、2019年12月から表題の検討会が開催されており、現時点(2020年8月末時点)で、以下のとおり、一定の規定案が消費者庁事務局から提案され、検討されているところです。各規定案は、評価できるものもあれば、不十分と思われるものもあり、以下、内容とそれに対する私の評価を紹介いたします。

第2 規定案1 判断力不足の場合の規定案

1 内容

 事業者が、(1)消費者の判断力が著しく低下していること、及び、(2)当該契約が当該消費者の生活に・・・

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