給与ファクタリング問題への取組み

大阪クレサラ・貧困被害をなくす会(通称:大阪いちょうの会) 司法書士 前田勝範

1 本稿を執筆している現在(令和2年6月10日)、給与ファクタリングに関する被害がマスコミで大きく取り上げられたり、弁護団が結成されて集団訴訟が提起されるなど状況が目まぐるしく変化していますので、今号が発行される頃には被害は多少なりとも収束していると思われます。

 大阪いちょうの会は、2020年3月7日に「ファクタリング・ヤミ金被害110番」の電話相談会を実施しました。同相談会は新聞社2社だけの掲載しかなかったためわずか8件の相談でした。しかし、同相談会が新聞社のインターネットサイトに掲載されたため、その後、全国各地から電話相談が入るようになり、改めて給与ファクタリング利用者の多さに驚きました。また、当時はファクタリングを取り扱う専門家も少なく、地元での相談先や依頼先を見つけられないとの声が多くありました。

 事件を受任して感じたことですが、通常のヤミ金融とは異なり、相談に来るまでに既に滞納していたり、取立てに追われているという人は少なく、業者も声を荒げて取立てを行うようなところはほとんどありません。いたって事務的な・・・

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