預託法改正の検討委員会審議に参加して
─戦いはこれから─

(公社)日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会(NACS) 代表理事副会長 永沢 裕美子

 2019年8月の消費者委員会による建議を受けて2020年2月に消費者庁に設置された「特定商取引法及び預託法の制度の在り方に関する検討委員会」が、8月19日に「販売預託取引は原則禁止」を盛り込んだ報告書を取りまとめ閉会しました。本検討委員会には、消費者団体代表4名、経済団体代表4名、大学教授や弁護士等の有識者6名、自治体代表1名の15名が委員参加し、8月までに「販売預託商法」の他に「詐欺的な定期購入」と「送り付け商法(ネガティブ・オプション)」についても対策を検討するという、非常にチャレンジングなものでした。新型コロナウイルスの感染拡大により、実際に集まって審議できたのは最初と最後の2回だけという困難もありましたが、こうして報告書を取りまとめることができたのは、「脆弱な消費者につけ込む悪質商法を許すまじ」という思いで消費者庁事務局と委員全員が一つにまとまることができたことが大きかったと考えます。

 以下、本検討委員会での審議状況を紹介しながら、「販売預託商法」による被害の防止と救済のための対・・・

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