◇給与ファクタリングという新手のヤミ金が現れた。例えば給与債権5万円分を3万5000円で買い取ったと称して3万5000円を先渡しし、取り立ての代理権を本人に与えたとして、翌月の給料日に本人が受け取った給料から5万円を払わせるシステムである。この例であれば、年利500%を超えることになる。
◇これを聞いて、平成14年頃に現れたチケットヤミ金を思い出した。当時は阪神高速の回数券というものが存在していた。1枚500円分が100枚セットになっていて、計5万円分を「1週間後の後払い」で売り渡した形をとり、債務者はこれを金券ショップに持ち込んで3万8000円で売り、実質的に3万8000円の融資を受ける。そして、1週間後には5万円を返済するというものである。実質は金銭消費貸借であり、法定利息を大きく超えるヤミ金でありながら、形式的には売買に仮装している点でよく似ている。
◇金銭を貸し付ける通常のヤミ金であれば、明らかに犯罪なので心理的なハードルはそれなりに高いと思われるが、売買など他の形式に仮装するタイプのヤミ金は、一応合法であるとの言い訳ができる。そのため、参入のハードルが低く、儲かるとなると雨後の筍・・・
この記事は会員に限定されています。ログインしてください。
会員になるには「会員に申し込む」をクリックしてください。