消費者被害の防止や救済のための見守り事業に関する現況調査の概要
─消費者安全確保地域協議会の取組みを中心に─

独立行政法人国民生活センター教育研修部 福原奈央

 当センターでは、毎年度異なるテーマで調査研究を実施している。2019年度は、高齢者や障がい者等を消費者被害から見守る「消費者安全確保地域協議会」(以下、地域協議会)の現況を調査した。本稿はその概要である1

1 アンケート調査

 本調査では、2019年10~11月に851自治体2を対象にアンケート調査を実施した(有効回収数692)。以下はアンケート調査の概要である。

(1)地域協議会の設置は2割強

 2019年10月末時点で、回答自治体692のうち地域協議会の設置自治体(以下、「設置自治体」)は162自治体(2割強)だった。

 地域協議会の設立経緯は、「既存のネットワークや会議等を地域協議会と位置付けた」が半数弱で、そのうち、福祉関係部局を母体としたものが半数以上だった。

 構成員は、消費者行政担当部局、福祉関係部局、社会福祉協議会、警察の順に多く、すべての設置自治体で福祉関係の構成員がいることが分かった。

 個人情報を取り扱わない活動では「構成員との定例会、情報交換会等の開催」が約9割、開催頻度は「年に1~2回」が9割以上を占めた。

(2)設立時の課題は関係部局・・・

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