新型コロナウイルスが変えた宗教勧誘

真宗大谷派 玄照寺住職 瓜生 崇

 新型コロナウイルスの感染拡大によって、大規模な集会や会合が開催不可能になった。この間、新宗教の伝道活動はどのように行われてきたのだろう。筆者に相談の多い二団体についてその現状を述べたいと思う。

 まず、オウム真理教の後継団体であるアレフである。アレフは駅前で声をかけたりネットで心理診断などの窓口を設け、それをきっかけに関係性を深め、シェアハウスなどに誘って入会に導く活動を展開していた。彼らは身体的な接触を嫌うが、全国各地の道場やシェアハウスは人の密度が高く感染対策が困難な環境である。2020年3月まではそれでも集会を続けていたが、4月の緊急事態宣言の発令により道場での行事は制限された。

 私が確認できている関西各道場の情報に過ぎないが、大学新入生を勧誘しようとしても大学に出てきている人はいないと言っていい状況であり、既存信者を中心にオンラインでの説法会を盛んに行っている状況である。同年6月くらいからは徐々に道場での行事も復活し、食事会なども行われているが、新規信者の獲得を急ぐよりも、かつて道場に来ていたけど今はあまり来ない信者に地道に声をかけ、オンラインの行事に・・・

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