コロナがあぶり出した「日本貧困地図」
早く現金寄こせ!の声

ホームレス総合相談ネットワーク 司法書士 福井裕菜

 「早く現金を給付してほしい」「もっと国はわかりやすく現状を説明してほしい」─2020年6月6日に全国一斉に開かれた「第2回コロナ災害を乗り越える いのちとくらしを守るなんでも電話相談会」にかかってきた電話には、全国からコロナウイルス感染症の問題で困窮・疲弊した市民の悲痛な声が次々と寄せられました。私も東京の会場で相談員として電話を受け、重苦しい気持ちになりました。

 ここで、電話相談会が開かれるまでの新型コロナウイルスをめぐる動きを振り返りつつ、電話相談についてご報告したいと思います。

 2020年1月16日、日本国内初の新型コロナウイルス感染者が報告されました。同年2月21日、国内感染者は100名を超え、3月1日の厚生労働省の記者会見では、集団感染事例にスポーツジム、屋形船、ビュッフェスタイルの会食などがあったことから換気の悪い密集空間を避けるように勧告をしました。集うことが避けられ、行動制限の中、感染拡大をしないように生活するという試練をいかに乗り越えるかが、社会の大きな課題となりました。感染症の怖さは、病気に感染することのみならず、感染し・・・

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