「インターネット通信販売における定期購入契約等の被害に対する規制強化を求める意見書」について

日弁連消費者問題対策委員会副委員長 弁護士(札幌) 小林由紀

1 定期購入被害の現状

 昨今、インターネットを利用した通信販売(以下「ネット通販」という)による消費者被害の増加が顕著となり、中でも定期購入に関する2019年度の相談件数は、前年度の2倍以上である4万4370件に上った1

 そこで、消費者庁の「特定商取引法及び預託法の制度の在り方に関する検討委員会」において法改正が検討される中、日本弁護士連合会は2020年7月16日付にて、定期購入契約の問題のみならずネット通販全体の規制強化を求める意見書を発出した2

2 ネット通販及び定期購入についての問題意識

 従来の通信販売は、消費者にとって必要な表示(正確な情報)を要求する広告規制が中心であり、契約の意思を形成した消費者が自ら申し込むため「勧誘」がないとされ、現行の特商法ではクーリング・オフや不実告知による取消し等も規定されていない。

 しかし、ネット通販の広告では、紙幅や作成費用といった物理的制約もないため情報量は膨大となり、そこに必要な表示が埋もれて正確な情報が消費者に伝わらず、電子データの特性上、表示の変更・削除・再掲載も極めて容易である。さ・・・

この記事は会員に限定されています。ログインしてください。
会員になるには「会員に申し込む」をクリックしてください。