弁護士（神奈川） 石戸谷 豊
津谷さんが情熱を注いだ2009年商品先物取引法は、2011年１月１日に完全施行され、これによって不招請勧誘は禁止された。この結果、商品先物取引被害は激減して今日に至っている。このところ金の価格が暴騰しており、執筆時点では高値圏で急落したり持ち直したりという状況にある。もし不招請勧誘が禁止されていなかったならば、商品先物取引業者による電話・訪問勧誘によって、多くの高齢者が老後の生活資金を失う修羅場を見たと思われる。この機会に、津谷さんの長年の奮闘を思い起こし、改めて感謝したい。
さて、津谷さん亡き後の不招請勧誘問題の動向は、芳しくない。まず、商品先物分野の逆風は、筆者が内閣府消費者委員会（以下、消費者委員会）の委員に在任していた時であった。経済産業省は、2013年６月閣議決定の「規制改革実施計画」を根拠として、不招請勧誘禁止規制の緩和に動き出したのだった。なにか運命的なものを感じながら、取り組むことになった。消費者委員会の対応は迅速で、2013年11月12日商品先物取引における不招請勧誘禁止規制に関する意見」を、2014年４月８日「商品先物取引法における不招請勧・・・
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