森友学園問題から考える、現代日本の政治と行政の姿(下)

阪南大学経営学部教授 桜田照雄

Ⅲ 記録の書き換え:公文書の改竄・隠蔽と「赤木ファイル」が示すもの

 首相の国会答弁によって生まれた強いプレッシャーは、行政の現場で、国の信頼を根幹から揺るがす行為へと繋がっていきました。近畿財務局の職員であった故・赤木俊夫さんが遺した「赤木ファイル」は、公文書の改竄・隠蔽がどのように組織的に行われ、一人の誠実な公務員の心を追い詰めていったのかを、静かに、しかし克明に物語っています。

本省からの指示

 記録の書き換えは、現場の一部の職員が勝手に行ったものではありませんでした。「赤木ファイル」に残されたメールのやり取りは、書き換えの指示が東京・霞が関の財務省本省、特に当時の理財局長であった佐川宣寿氏から下されていたことを示しています。ファイルの中には、「佐川局長の指示により、調書につきまして、現在までの国会答弁を踏まえた上で、作成するよう直接指示がありました」という一文がはっきりと記されています。これは、現場の職員たちが、首相の答弁に合わせて公文書を書き換えるという異例の作業を、組織の上層部からの命令として受け止めていたことを示すものです。

現場からの抵抗と葛藤

 しかし、・・・

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