諸外国における売買契約上の契約適合性の規律(3)
─動産売買契約における消費者保護規定を中心に─

弁護士(大阪) 大上修一郎
弁護士(大阪) 薬袋真司
龍谷大学法学部教授 カライスコス アントニオス

 前号(本誌145号)に続けて、売買契約における目的物の契約適合性に関する諸外国の法制度の紹介を進める。

5 フランス

(1) 民法典

 民法典は、1804年のナポレオン法典の「隠れた瑕疵」の担保(保証)責任という枠組を現在も維持している(1641条以下)。売主は、目的物に隠れた瑕疵(défauts cachés)があり、その本来の用途に適さない状態にある場合、または、使用が著しく制限され、買主がその欠陥を知っていたならば購入しなかったか、より低い価格で購入したであろう場合に、担保責任を負う(1641条)。この責任は、債務不履行責任(引渡債務の不履行責任)とは別の責任と解されている(二元説、1603条参照)1。瑕疵は、契約当時に存在し、かつ「隠れた」ものであることが必要である。

 買主は、解除と代金減額請求の選択的権利を持つ(1644条)。悪意の売主は、代金返還義務に加え、すべての損害につき賠償義務を負うが、善意の売主は、代金の返還及び売買によって生じた費用の償還義務のみを負う(1645条、1646条)。担保・・・

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