分譲地所有者が自らの所有地を管理する権利について

弁護士(神奈川) 茆原洋子

1 1審から最高裁まで勝訴したある分譲地所有者の件

 五大観光株式会社(以下G社と呼ぶ)から過去5年分の管理料相当の不当利得返還請求(19万5660円)を受けた、ある別荘分譲地の所有者Aさんは争い、令和4年10月27日東京地裁は不当利得返還請求を棄却し(本誌134号140頁)、東京高裁も令和5年4月28日控訴棄却、上告審では第二小法廷が令和5年12月22日上告棄却不受理決定により、Aさん勝訴が確定した(第一法規判例検索に掲載予定)。

2 同じ分譲地をめぐる2度目の裁判

 ところが、最近になってG社は、上告審確定「以後の期間」についての不当利得返還請求訴訟をAさんの分譲地相続人に対して起こした。その際には、G社は最高裁第一小法廷における自らの勝訴判決2件(令和7年6月30日)を証拠提出し、これに従って判決が出されるべきであると主張している。最高裁判決の内容は、ゴミ拾い、清掃、ゴミ箱設置、道の街灯の管理などをしている前提で、契約して支払っている他の分譲地所有者との公平を注目しただけの判断であった。

3 最高裁第一小法廷の論理と実態の乖離

 しかし、この判断は表面的すぎる。平成2年・・・

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