事業者間取引において脆弱性を有する小規模事業者等への法的支援のための調査・研究の開始等を求める意見書

弁護士(兵庫) 鈴木尉久

1 はじめに

 日弁連は、2025年9月18日付けで標記の意見書を公表した1。本稿は、その概要を紹介するものである。

 この意見書は、事業者間取引において、消費者に近似している、取引上の脆弱性を有する小規模事業者等に対する法的支援が必要であることを指摘し、その被害実例に関する情報の収集・分析、調査・研究を踏まえ、適切な立法措置を講じるよう、国に対して求めることを内容としている。

2 問題意識

 消費者法は、消費者を保護する法であり、事業者間取引には適用がないとされてきた。現行の消費者取引に関する法制度は、取引主体を人的属性によって「事業者」と「消費者」の二つに区分し、消費者が事業者と取引をした場合には、消費者契約法・特定商取引法・割賦販売法等によって法的支援を受けることができるが、事業者間取引は常に対等当事者間の取引であるとみなされ、その一方の事業者が社会経済的な実情として弱小で劣位にあるとしても、消費者法等による法的支援は与えられていない。

 しかし、現実には、事業者といっても、その規模や取引の習熟度は千差万別であり、その中には、実態としては消費者に近い事業者(いわゆる「消費者・・・

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