令和のコメ不足への対応

日本維新の会 前農水部会長 空本誠喜

1 「令和のコメ不足」とは

 今般の米価高騰について、政府は「生産量は足りていたのか」と、その要因と対応の検証を行っています。令和7年8月5日付で政府は、①人口減少等による需要のマイナス・トレンドの継続を前提として翌年産の需要量と生産量の見通しを作成していたこと、②高温障害等により精米歩留まりが悪かったことから玄米ベースでの必要量が増加したことに加え、③インバウンド需要や家計購入量の増大などにより実際の生産量及び在庫量から計算した需要量(玄米ベース)が増加していたことをその要因として発表しています。この結果として、生産量が需要量に対し不足し、民間在庫を取り崩して需要量に見合う供給量を確保せざるを得なかったとも検証しています。

 しかし、米価高騰の要因は、本当にそれだけなのでしょうか。ここで、生産者であるコメ農家と消費者の両者の立場から、適正なコメの価格とは幾らなのか解説して参ります。

2 令和5年産までコメ農家の95%が赤字経営

 コメ農家の95%が赤字経営にあると言われています。特に、西日本の中山間地域のコメ農家はコスト割れを起こし、兼業農家として他の収入を入れ・・・

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